二学期終業式 式辞
二学期も終わりを迎えました。二学期の終わりは、その年の終わり、つまり2024年が終わりに近づいたことを意味します。この一年はどんな一年だったでしょうか?
お正月の能登半島地震を始め、各地で地震が頻発したり、豪雨での被害が多く、夏場の猛暑等、自然災害が目立った一年だったと思います。また、終息の気配が言えないウクライナやパレスチナの紛争にも心が痛みます。東京都知事や兵庫県知事、衆議院議員にアメリカ大統領など、選挙に関する話題も多くありました。
明るい話題といえば、大谷翔平選手をはじめとするスポーツ選手の活躍でしょうか?オリンピック・パラリンピックの年でもあり、様々な競技の盛り上がりがありました。
本校に限って言うと、一チーム十一名が県総体へ出場し、四国総体へも一出場しました。県新人大会ではバレー部が第三位、個人でも二名が賞状を獲得するなど、今までの成果が発揮されたり、今後に期待を持てる結果となりました。文化面や学校行事などの場面でも、一人一人が輝きを見せました。
さて、来年はどんな一年になるでしょうか?授業の一時間がおわる度に、一日が終わる度に、一週間が終わる度に、区切りごとに自分を振り返り、目標を新たに立てる機会はいくらでもあります。ただ、学期の代わり目や年度の変わり目、そして年が変わるこの時期が、最も決意を新たにしていくに適している時だと思います。この冬休みにゆっくりと心と体をリフレッシュするとともに、新しい一年に向けてのスタートとあるよう、今までの自分をより成長させるような、変えていきたい自分を生まれ変わらせるような目標を立てて3学期の始業式をむかえてほしいと思います。1月8日に元気に会いましょう。
令和6年12月25日
今治市立大島中学校長 田窪直樹
2学期始業式 式辞
2学期のスタートです。充実した夏休みが過ごせたでしょうか?
夏休み前に、ここで、4月に起こった南予での震度6の地震についてお話しました。いつくるかわからない災害に備えることは、しんどいけれど、確実にやってくるとわかっているものへの備えはしっかりできるはずなので、期日のはっきりしていることに対して、しっかり頑張りましょう。といった内容でした。
夏休み中に、また震度6の地震が発生し、今回は南海トラフ地震想定震源域で起こったために「巨大地震注意」というものが発令されました。丁度、お盆休みに入る直前で旅行や帰省の予定も多く、初めてのことで、戸惑うことも多かったと思います。振り返ってみると、大事は起こらなかったわけですが、再三言われているように、これから二・三十年の間にかなりの確率で南海トラフ地震は発生するのでしょう。集中して、膨大な量の備えをすれば疲れて続きません。継続出来る備えが途切れないように、備蓄品のサイクルを整えていくのがいいと思います。普段使う水やカップ麺を、使った分を足していき、途切れなくすることなら置いておく場所もそんなにとらず、可能ではないでしょうか?
もう一点、何よりも「いのち」「健康」が大切です。二学期の始業式に元気に会いましょう。と話をしました。今、ここで話を聞いている皆さんは、これをクリアできましたね。2学期は、1学期よりも行事もテストも盛りだくさんです。充実した学期にしましょう。運動が苦手だったり、合唱が苦手だったり、行事の移動が面倒だったり、気がすすまないことがあるかもしれません。その時は
おもしろき 事もなき世を
おもしろく すみなすものは
心なりけり
何をするにも心の持ちようです。前向きに、楽しんで頑張っていきましょう。
令和6年9月2日
今治市立大島中学校 校長 田窪直樹
一学期終業式 式辞
4月8日から始まった令和6年度の一学期が終了します。みなさんにとってどんな一学期だったでしょうか?
「このことを頑張りました」「印象に残っているのはこれです」とパッと言える人は素晴らしいです。思いつかなかった人は、夏休みの終わりに「この夏休みにはこれをやった」「これが一番の思い出だ」と思えるようにしてください。明日から夏休みの日数は一日一日減っていきます。「何をした一日だったかな?」という日をなくしていきましょう。
私が感じたこの一学期は、災害の危険性を感じた一学期でした。南予で震度6弱、この辺でも震度4を記録した地震があったのは四月十七日でした。大雨の影響で5月28日に臨時休業、つい先日も二日続けて、午前中自宅待機となりました。幸いにも大島では、大きな被害はなかったと思いますが、松山市の土砂災害等を見ていると他人事とは思えません。土砂崩れから一週間経ちましたが未だに避難所での生活を余儀なくされている方々がいます。一度何かが起こるとその影響は思っているより大きいのです。地震は予測できませんが、台風や大雨はかなりの確率で予報が当たります。夏休みの間も天気予報に注意して、万が一の災害に備えてください。
いつくるかわからない災害に備えることは、ややしんどいと思います。ならば、確実にやってくるとわかっているものへの備えはしっかりできるはずです。
例えば、部活動の試合、定期テスト、入試、みんな期日が決まっています。直前にあわてないように計画的に取組めるはずです。そして、夏休みの終わりも決まっています。終了間際に慌てないように計画的に課題に取り組んでください。
色々言いましたが、何よりも「いのち」「健康」が大切です。二学期の始業式に元気に会いましょう。
令和6年 7月19日 今治市立大島中学校 校長 田窪直樹
新しいスタート
4月8日の始業式で、2・3年生を前に話した式辞の内容です。
『3月に卒業生と転任・退職される先生方を送り出し、春休みを迎え、今日、新たな先生方と出会い、明日から新入生を迎えます。3月の別れは、4月のこの出会いのためにあります。クラス替えのない大島中学校は、進級しても学年の友達の顔触れは変わりません。新しい学年を迎え入れ、新しい先生との出会いやふれあいで、心機一転、リスタートをしてください。校長先生もみなさんのことをよく知るために、授業や部活動の様子を見に行きたいと思います。邪魔をしないように隅の方にいるので、気にせずに授業や部活をしてください…。
ここまでの話を聞いて何か気付いた人はいますか?
今までの部分は昨年度の式辞と全く同じ文です。1年前の始業式の話を事細かに覚えている人はいないだろうと思って使ってみました。特に違和感がなかったと思います。じゃあ同じでいいのでしょうか?毎年四月になり、新学年がスタートします。2・3年生にとっては、また同じことの繰り返しのように感じ、入学したときの新鮮さが薄れ、ともすれば年度が変わっても、新たな決意や目標もなく、「今までと同じでいい」「去年と同じでいい」と考えてしまうかもしれません。けれども、当たり前のことだけれども、同じ1年や同じ1日はありません。必ず何かしらが変化しています。自分自身も変化・成長していかなければならないのです。ですから、同じ1学期の始業式だからといって同じ挨拶をしていいわけはありません。君たちは1年進級しているし、先生も1年分は成長していないといけないのです。君たちも先生方も1年分の成長を積み重ねていけば、大島中学校はもっともっといい学校になっていけると思います。明日、新入生を迎えます。1年分成長した2・3年生として迎えてあげてください。』
本校での勤務が2年目になりました。何もかも初めてだった昨年とは違い、「一度経験したこと」がほとんどになってきます。その時、安易に「前と同じでいいや」と思うのと「前回の経験から改善点はないか」と考えるのでは、ものすごく大きな差になるはずです。昨年の成果や反省が生きる1年になるように教職員一同、努力いたします。よろしくお願いいたします。
今治市立大島中学校長 田窪直樹
3学期始業式から
令和6年は、元日からの「能登半島地震」で驚きのスタートとなりました。自然災害なので、正月は関係ないのは当然なのですが、「まさか元日から」というのが多くの人の感想ではないでしょうか?日を追うごとに犠牲となった方が明らかとなり、まだまだ増えていきそうな気配です。亡くなった方々のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
この度、今治市は「住みたい田舎ベストランキング」で2年連続4部門1位を達成したそうです。普段住んでいる我々は、あまり気にしていないことも、他の地域の人から見れば魅力あふれる地域なのだと思います。その魅力の一端に「災害の少ない気候」も含まれていると思います。大雨や台風の被害も少なく、温暖で雪で悩まされることもありません。地震も少ない地域です。しかし、そんなことは言っていられないと感じたと思います。昨年11月に行った合同避難訓練など、常に備えをしないといけないと再認識させられました。
被災地の多くの学校で今日からの三学期が開始できないなど、日々、報道される被災地の状況を見るにつれ、「何かできないのか」「ここで普通に生活していていいのか」と考えた人も少なくないかもしれません。私もそう思うものの、現地にボランティアに行くために、学校を離れ、自分の仕事を休むことはできません。私たちにも私たちの生活があるのです。では、私たちにできることは何でしょうか?それは、それぞれの生活しているところで、自分にできることを懸命にすることだと思います。「大丈夫かな」「早く復興してほしいな」と願いつつ、自分に今できることを頑張るしかないのです。
三学期は「令和5年度」の締めくくりの学期です。三年生は希望する進路の実現に、一・二年生は来年度へのしっかりとした土台づくりに、今いるここで、できることに懸命に取り組んでいってほしいと思います。
二学期の始業式から
「一学期の終業式で2点お願いをしました。1点目は元気に始業式に来てくださいということです。今、ここにいる皆さんはそれが達成できています。当たり前のようですが、一番大切なことです。
2点目は 印象に残る夏休みにしてほしいということです。これに関しては個人差が大きく、『ものすごく充実した夏休みになった』という人もいれば『『いつの間にか終わった』という人もいると思います。
それでも、二学期が始まりました。お盆を過ぎたあたりから、夏休みの残りが少なくなるにつれて、名残惜しく、憂鬱に感じていたかもしれませんが、夏休みは終わりました。もう今年の夏休みには戻れません。だったら、気持ちを早く切り替えて、少しでも楽しく、有意義な学期にするようにしてほしいと思います。
早く気持ちを切り替えて頑張るために役立つかもしれない、私の好きな言葉を紹介します。
『おもしろき 事もなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり』
幕末に活躍した高杉晋作の辞世の句だといわれています。
おもしろいと思えるものは、そこらにごろごろと転がってはいない。だけど、気の持ちようで、同じことをするにしても、楽しくできるんだという意味だと思います。
「しんどい」「だるい」ときもあるかもしれませんが、同じやるなら少しでも楽しめるように前向きに取り組む2学期にしてください。」
という内容を、始業式で生徒に話しました。失敗は反省しないといけないけど、それすらプラスにできるよう、前向きに活動してほしいと願っています。
「4月の学校だより」より ~年度当初のあいさつ~
4月3日(月)に本校に赴任し、十日経ちました。毎日、来島海峡大橋から見える風景に心和ませながら学校に来ています。今年も桜の木が多くの花を咲かせていました。大島中学校の校庭にも、吉海小学校の校庭にも、道路沿いや山沿いにも、いたるところで桜の花が見られました。例年より少し咲き始めが早く、もう散ってしまった花も多そうですが、春の到来を感じます。
ここ数年、この時期に桜を見ると思うことがあります。「こんなにもたくさんの桜の木があったんだ。」と。「何気なく通っていた道端に植えられていた木は桜だったのか。」「公園の真ん中にあるこの木も桜だったのか。」と、草木に対する造詣が深くない私は、花が咲いたこの時期にだけ気が付きます。桜の花が美しく咲いているのは、一年のうちの十日あまりです。その十日あまりのために、これだけの木を植え、大切に残してきたのかと感動します。桜の木は一年のほとんどは花をつけません。秋からはたくさんの落ち葉が処分に困ります。コストパフォーマンスの点から考えると、面倒だから切ってしまえとなりそうです。けれどもそうはならなくて、木を残し、落ち葉の掃除をして、花が咲く春を待っているのです。
最近の世の中は、華々しい結果を残したときだけチヤホヤしたり、いい結果が残せなかったら激しくバッシングしたりと、目に見える結果ばかりを追い続ける傾向が強い気がします。結果が出る(花が咲くこと)は大事だけれど、そこだけが大切なのではなく、それまでの過程も大切なのです。花が咲いていない、落ち葉が大量に道を埋めている時期に切り倒されなかったから、春を迎え、花が咲くのです。
詩人坂村真民さんの「念ずれば花ひらく」という詩では、人が何かをなしとげたことを「花がひらく」と例えています。人は桜のように、春になると花がひらくとは限りません。すぐに咲く花もあれば、春になっても咲かない花があるかもしれません。いつ咲くかわからない、一人一人のその花が開く時を、じっくりと待てる学校でありたいと思います。いいときばかりでなく、結果が出ないとき、悩んでいるとき、苦しんでいるときに、ともに考え、支える学校でありたいと思います。
桜の花を見ながら、これからの学校の在り方について考えたことです。
今年度、西条市立丹原小学校から校長として赴任しました。3年ぶりの今治になります。よろしくお願いしたします。
今治市立大島中学校 校長 田窪 直樹